日進月歩でその進化を続ける医学も、伝統医学である東洋医学と近代西洋医学に大別されてきました。東洋医学の代表でもある鍼灸医学や中医学は、中国に起源し数千年の悠久な歴史の中で、独自の理論体系とその臨床効果は世界の医薬業界と科学技術分野の広い関心と注目を持たれています。それらは我が国に伝来してすでに千五百年の歴史があり、またその歴史の中で日本独自の知識も加わり、新たな発展をしてきました。
しかしながら、現代では西洋医学および東洋医学のどちらかに優劣をつけるのではなく、双方の長所を活かし、欠点を補い合う複合医療へと生まれ変わりつつあります。特に近年、諸外国における鍼灸医学及びその関連領域の科学の進歩にはめざましいものがあり、我が国においても鍼灸医学の価値が再認識されてきています。
また、それに伴いそれぞれの知識や技術の国際水準化、また国際水準に達した医療人の育成が求められています。
そこで今後、鍼灸医学や中医学が社会の要求に適確に対応して行くためには、多くの国際鍼灸師および国際中医師、国際マッサージ師が、正確な知識や情報を伝達し、正しい知識や技術をもって治療を行っていくことが最も重要です。そのような折、WHOの会員組織でもある世界鍼灸学会連合会の日本の活動拠点の1つとして、この度、国際鍼灸中医薬学会を設けることとなりました。
現代の人々が望んでいることは、より質の高い医療をうけることです。日本で鍼灸学、医学、歯科医学、薬学などを学んだ方に、その技術と知識に更なる深みを加え、新たな複合医療の世界を構築する一翼を担える機関でありたいと考えております。
国際鍼灸中医薬学会理事長 今泉智仁